外国手話研究部:研究方針

 外国手話研究部は,日本手話研究所発足後に「国際部」として組織されたのが始まりです。その後, 組織規定の一部改正により,1997年以降は現在の「外国手話研究部」という名称に改められました。この研究部は発足当初から,日本手話と外国手話の対象研究および,日本手話を諸外国へ紹介することを課題にしています。

 本研究部は,1995年から開始されている「ろう者のための指導者コース」(JICA:独立行政法人国際協力機構が各国のろう者リーダーを招聘しておこなう研修プログラム)で10年間にわたり「アジア手話セミナー」を主催してきました。この間,各国ろう者リーダーの手話表現を収録して貴重な研究資料を収集するとともに,多くの日本のろう者や健聴者に各国のろう者と触れ合う機会を提供してきました。

セミナーの主催は2004年で終了しましたが,諸外国の手話収集は現在も継続しています。最近は調査対象国をアジア太平洋から南米,アフリカにまで拡大し,固有名詞などを中心に手話語彙収集をおこない,研究成果を発表しています。外国手話研究部の活動は,日本と諸外国のろう者との交流を活性化し,相互の異文化理解と尊重につながるものです。