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センター設立の意義と経過 ~設立10 周年を迎えて~ 


1970(昭和45)年厚生労働省の都道府県への補助事業として手話奉仕員養成事業がスタートし、1973(昭和48)年からは手話通訳者設置事業、1976(昭和51)年からは、手話奉仕員派遣事業が開始されました。この3 事業を中心に、地方自治体の単独施策としての手話通訳者の採用や、京都府、大阪府、東京都等の聴覚障害者団体による相談・通訳派遣等のセンター設置などが聴覚障害者の手話通訳ニーズに対応してきました。
しかし、聴覚障害者の社会参加の拡がりとともに、手話通訳件数は大きく増加し、また、大学等の高等教育の場や専門職の技術研修等、通訳内容も多様化・専門化し、専門的能力を有する手話通訳者養成が求められるようになってきました。


一般財団法人全日本ろうあ連盟、一般社団法人全国手話通訳問題研究会、一般社団法人日本手話通訳士協会の3 団体は、新たな手話通訳制度を確立するため、1985(昭和60)年「アイラブコミュニケーション」パンフレット120 万部普及運動に取り組みました。
厚生労働省は、この要望を受け止め、1989(平成元)年度から厚生労働大臣認定資格である手話通訳士制度を創設、1990(平成2)年度からは、国立リハビリテーション学院での手話通訳養成コースの開講、そして1991(平成3)年度からは、身体障害者更生援護施設に聴覚障害者情報提供施設が位置づけられ、2012(平成24)年度現在、全国で44 施設となりました。
さらに厚生労働省は、1998(平成10)年に手話通訳者等の養成カリキュラムを新たに策定するとともに、手話通訳者養成課程修了者を対象に、都道府県知事の登録試験制度を導入しました。
また重度・重複聴覚障害者や高齢聴覚障害者を対象にした関連施設も増加し、手話を含む聴覚障害者福祉についての専門的能力を持った職員養成が求められています。


2000(平成12)年に改正された社会福祉法および身体障害者福祉法は、新たに手話通訳事業を社会福祉事業として位置づけました。
また、2006(平成18)年にスタートした障害者自立支援法においては、手話通訳者設置事業や手話通訳者派遣事業等コミュニケーション支援事業を市町村の必須事業と位置づけ、2012(平成24)年障害者自立支援法を引き継いだ障害者総合支援法においては、手話通訳者養成事業を都道府県の必須事業に、手話奉仕員養成事業を市町村の必須事業として位置づけるなど聴覚・言語機能の障害により意思疎通を図ることに支障のある人々と社会に対し手話通訳等コミュニケーション支援事業の充実を図ることとしました。


国際的には、2006(平成18)年12 月、国連総会において「障害者権利条約」が採択され、この条約の定義において「手話は言語である」ことが明確化されました。
この「障害者権利条約」は2008(平成20)年5 月発効し、日本においては2011(平成23)年8 月に改正公布された障害者基本法において、手話が言語であると位置づけられました。


一般財団法人全日本ろうあ連盟は、手話を中心的なコミュニケーション手段とする当事者団体として、1969(昭和44)年以来、厚生労働省の委託を受け、手話の研究および新しい手話の造語に取り組んできました。
また、手話奉仕員養成事業等についても一般財団法人全日本ろうあ連盟加盟の都道府県聴覚障害者団体が、都道府県および市町村から実施委託を受け、地域の手話通訳者組織とともに、積極的に取り組んできており、40 年にわたる日本における手話研究、手話や聴覚障害者福祉従事者養成等は、まさに当事者中心に取り組まれ、当事者団体にその実績が蓄えられています。


一般財団法人全日本ろうあ連盟と一般社団法人全国手話通訳問題研究会および一般社団法人日本手話通訳士協会は、新しい時代の要請に応える必要性を痛感し、全国手話研修センター設立構想にと発展させ、40 年間の実績と蓄積したノウハウを基に、手話を中心としたコミュニケーション環境の整備を事業の中心とし、新たな事業体の設立を目指すことになりました。そして社会福祉・医療事業団(現在は独立行政法人福祉医療機構)から助成を受け、1999(平成11)年には事業内容、運営主体などを検討し、基本構想(8 分野の事業を今後10 年間で順次実施)を策定しました。 2000(平成12)年には基本計画を策定し、社会福祉事業として実施することとしました。


一般財団法人全日本ろうあ連盟は2001(平成13)年6 月の評議員会で、一般社団法人全国手話通訳問題研究会および一般社団法人日本手話通訳士協会は2001(平成13)年5 月の代議員会等で全国手話研修センターの設立とセンターの発展のために積極的な財政的、人的支援を行うことを決議しました。この決議を受け、直ちに社会福祉法人の認可準備に入りました。一般財団法人全日本ろうあ連盟5,000 万円、一般社団法人全国手話通訳問題研究会5,000 万円、一般社団法人日本手話通訳士協会50 万円の基本金を基に2001(平成13)年10 月、京都府を経由して厚生労働省へ社会福祉法人の認可申請を行いました。


2002(平成14)年1 月31 日、厚生労働大臣から社会福祉事業である手話通訳事業を行う全国初の社会福祉法人として認可されました。
また、拠点施設の整備について、厚生労働省並びに京都府のご協力のもと2003(平成15)年4 月宿泊・研修施設「コミュニティ嵯峨野」の無償譲渡を受け(土地は、京都府から無償貸与)、ここを手話通訳事業の拠点として事業展開するとともに、この施設を利用する関係者の便宜を図るためホテルやレストランの運営等も当法人が引き継ぎ、運営することになりました。同年6 月〜8 月の3 ヵ月間コミュニケーションバリアフリー改修工事を行い、8 月30 日に竣工式を実施、リニューアルオープンしました。改修工事費は総額で3 億5,000 万円、このうち財団法人日本自転車振興会(現在は財団法人JKA)から、2 億5,000 万円の補助をいただくとともに、全国の聴覚障害者や手話関係者から多額のカンパが寄せられ、世界でも初めての手話と聴覚障害者福祉の宿泊研修施設としてスタートしました。


2006(平成18)年4 月1 日からそれまで財団法人全日本ろうあ連盟に併設されていた日本手話研究所を全国手話研修センター内に移管設置し、厚生労働省の委託事業を中心に手話研究に本格的に取り組むことになりました。
また、2006(平成18)年度から手話通訳指導者養成研修事業を、更に2007(平成19)年度から 手話通訳者・士現任研修事業を厚生労働省から事業委託を受け、人材養成事業の充実を図るとともに、手話通訳者養成課程修了者を対象に実施されることになった都道府県知事の登録試験制度を2001(平成13)年度から当センターで手話通訳者全国統一試験として実施することとし、2012(平成24)年度現在で、全国で実施されるなど確実に前進しています。

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2006(平成18)年度から手話を学ぶ多くの人たちの手話によるコミュニケーション能力の評価試験として全国手話検定試験に取り組んできました。この試験の実施にあたっては、全国の聴覚障害者団体、手話通訳者団体等多くの関係者の皆さんにご協力いただき着実に前進しており、2012(平成24)年度は、1 級から5 級までの6 段階で約8,300 人の皆さんが挑戦しています。

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全国手話研修センターは、その設立経過、手話通訳事業という事業の性格、事業内容から聴覚障害当事者中心で進められており、手話通訳事業以外の宿泊施設としての事業である清掃業務、サービス業務等についても障害者が活躍できる場、就労の場として活用するため 2009(平成21)年4 月、障害者自立支援法に基づく障害者福祉サービス事業に取り組むこととしました。具体的には就労継続支援A 型事業所「就労支援センターとも」を開所し、定員14 名、登録19 名でスタートしました。年々事業が拡大し、2012(平成24)年度では、定員40 名、登録者は50 名を超えており、聴覚障害者だけでなく、知的障害者、精神障害者等様々な方々の就労の場となっています。

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コミュニティ嵯峨野の宿泊施設の一部として運営しているレストラン「ヌーベルジャポネーゼ嵐山」等で使用する米や野菜の自産自消を目指し、2011(平成23)年度から「就労支援センターとも」の事業として農業に取り組んでいます。亀岡市内に農地をお借りし、地域の農業従事者の皆さんのご指導・ご協力を得ながら京野菜の無農薬(減農薬)有機栽培に取り組んでいます。
また、2011(平成23)年の10 月からは、京都府の委託を受けこの農場を中心に病気やケガ、人間関係の悩みなどで長期間働けなかった人々の就労体験事業にも積極的に取り組んでいます。

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2012(平成24)年からは、就労体験事業だけでなく就労意欲の喚起のための相談事業、生活能力・就労能力向上のための訓練等を総合的、系統的に行うため、日常生活等自立支援事業を京都府から事業受託し、そのキーステーションとして「くらしと仕事のサポートステーションおぐり」を5 月に開所し、手話や聴覚障害者福祉事業で培った支援内容、支援方法を駆使して社会貢献事業として取り組んでいます。
社会福祉法人全国手話研修センターは、設立以来10 年間で、手話通訳事業を中心に据えながら宿泊施設の運営等施設事業、障害者福祉サービス事業や社会貢献事業へと幅広く事業展開を図ってまいりました。
今後もこれまでの10 年を礎に、聴覚障害者福祉や手話を中心とするコミュニケーション環境整備の新たな歴史を切り拓くべく、役員・職員一丸となって努力をしていく所存でございます。
関係係機関・団体をはじめ多くの皆様方のこれまで以上のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

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